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コラム2007年10月-2

歯と口の衛生とよく噛んで食べる食事と健康 ~世界一になった日本人の寿命~

平成19年10月1日

福岡大学名誉教授 前医学部歯科口腔外科教授
博愛病院 非常勤勤務   都 温彦

年(2007年)7月27日の西日本新聞の記事に、日本人の平均寿命が過去最高の年齢に達したことが書かれていました。女性が85.81歳、男性は79.00歳です。しかも女性は22年間世界一を続けています。男性は世界2位です。1位はアイスランド79.4歳ということでした。

田信長が天下統一を前にして、京都本願寺で明智光秀に襲われ、自刃(1534~1582)した時が48歳です。そのときに舞った歌が『人生50年外天のうちに比ぶれば夢幻の如くなり』です。その頃の日本人の平均寿命は50歳前であったろうと思います。現在に比べると雲泥の差があります。今、日本人の女性は世界一の86歳、男性は世界第二位の79歳です。誠に慶ばしい限りです。しかし、長生きするには老後が充実して楽しくないといけません。言う迄もなく、その第一番は心と身体の健康で、長寿になったのは人間だけではありません。動物園に飼われている野生の動物や、家庭で飼われている犬や猫などもそうです。その理由を上野動物園の獣医さんに尋ねてみましたところ、獣医学の発達もありますが、一番はエアコンによる温度調整ということでした。厳しい暑さ、寒さは飢えと同じく身体にこたえるわけですね。

も少年時代、むし暑く眠れなかった夏の夜のことや、凍えるような冬の寒さで震えた日のことを思い出します。そして戦時中や戦後の食糧難の時のひもじかったことも思い出します。熱帯生まれの象やライオンなどの動物にとって、日本の冬は強いストレスになるし、寒帯生まれのシロクマやペンギンなどの動物にとって、夏は強いストレスになり、身体に堪えます。現代はエアコンが動物園にも設置されていますので、温度によるストレスを和らげてくれますし、食糧難もありません。また清潔な生活環境も整っています。終戦後、食べて生きてゆくのに精一杯だったこ時、ノミやシラミが湧いて痒くて眠れなかったり、ひもじさや、暑さ、寒さできつかった時のことを思い出すと、今は天国のようだと思われませんか。

が上野動物園へ観察しに行くようになった一番の関心は、動物の歯と食べ物と健康の関係を調べることでした。なかでも、私たち人間に遺伝的に最も近い関係にある類人猿のゴリラのことでした。動物は、その動物の種類が食べる食べ物にもっとも適した歯の形を持っています。肉食獣は、肉食に適した鋭く尖った歯をしており、皮や肉を突き刺して、引き裂きます。植物を食べる草食獣は、穀物を噛み割り、磨り潰す臼歯や草の葉や茎や根を噛み切る前歯が発達しています。因みに、肉食に関係する犬歯は一本あるだけです。人間は樹の上で進化した霊長類の中の一つです。類人猿のゴリラやチンパンジー、オランウータンなどと同類ですので、『歯と食べ物と健康の関係』は、植物性の食べ物が本来的であるといえましょう。植物性の食べ物にある繊維に対して、人間は消化酵素を持っていないので、よく噛まないといけません。菜っ葉や穀物、果物の皮はよく噛まないと不消化のまま排泄されます。海草もそうです。乳歯が生えて、離乳食になった時の子どもが、野菜を噛まなかったときのことを思い出してください。また、植物性の食べ物に含まれる食物繊維は食べ物の有害が物質である発癌物質を吸着したり、腸をきれいにしたり、便秘を防ぎますので大事です。そこで歯が弱かったり、入れ歯や歯がない人でも野菜を小さくしたり柔らかく煮たりすると、噛み潰すことができます。きれいな歯や入れ歯や口の中で一口20回噛むことが健康の秘訣です。よく噛む食事は乾いた口の中を湿らせ爽やかにします。また胃液を分泌させ消化をよくし、食べ物の味を敏感にします。年と歯の関係は昔から言われてきた事です。だから年齢の齢には歯が付いているのです。歯や口や入れ歯をきれいにして、食べ物をよく噛んで食べる食事に心掛けましょう。

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